中小零細企業のための人事制度②

こんにちは。人事コンサルトの伊藤です。

最近は景気が上向きになってきたせいか人事評価制度や賃金制度を見直したいという企業が増えてきたような気がします。労務トラブルや解雇などという後向きな相談ではなく、社員の処遇を改善したいという、こういった前向きな相談は気持ちがいいですね。

 

今回は弊社が考えている人事制度について2回目です。

中小零細企業のための人事制度①のブログはこちらです。

 

▼何が人事制度を難しくしているのか

人事制度の設計、導入を難しくしているものに賃金に対する既成概念があると思います。

 

(1)賃金のタイプ 職能給、職務給、年功給、業績給、役割給、年俸制、などのいろいろな給与に関する考え方が展開されています。しかし、中小零細企業では、賃金の決定方法はその企業の考え方によってさまざまな様態を持っています。 同じ企業の中でも、ある職務の人には職能給的な処遇を採用し、他の職務の人には職務給的な処遇をしています。これらはその企業の人事戦略に基づいて設計されるべきだと思います。

 

(2)賃金のもつ3つの性格  賃金には3つの性格があると言われています。 一つは労働の対価、二つ目は生計費、三つ目はコストです。しかし、これらの発想は行政の目線によるのもので、社長や社員の目線ではありません。賃金は、①「生み出した付加価値の分配」であり、②「より豊かな生活のための源泉」であり、そして③「人という資源への投資」なのです。 社員を企業のコストと考えている限り、企業の発展も社員のやる気も働きがいも生まれてこないでしょう。

 

(3)職務基準書、賃金テーブル これらもあるに越したことはないと思いますが、組織活動や賃金の柔軟性を減少させるような気がしてなりません。

 

▼なぜ中小企業に人事制度が必要なのか

日々の中小企業の人事労務支援活動の中で痛切に感じることがあります。 会社には成長し、発展している会社と、業績の伸びない会社があります。いずれの会社も自社を成長させたいと懸命になっているのは同じなのですが、これがなかなか容易なことではありません。 次に成長している会社でも、複数タイプがあり、たとえば時流に乗っている運のいい会社というものは、非常にラッキーに見えるけれどもいったんツキが落ちてしまうと、もう自力ではどうにもなりません。でも真の実力を備えた会社は違います。ツキが落ちても自力で這い上がり生き残ります。それでは「真の実力のある会社の条件」とは何でしょうか。 色んな要素があると思いますが、ひとつには優れた人材、特に優れた管理者に恵まれていることだと思います。それでは良い人材、優れた人材に恵まれるにはどうしたらよいでしょうか。そこでこのコラムのテーマというわけです。良い人材、優れた人材を持っている会社は「社員がやる気を引き出す」人事制度を持っています。それは公平な人事制度・評価制度・給与制度であり、会社の業績向上には不可欠のものなのです。

 

▼人事制度の真の目的は何か アメリカでは、人事管理を、 Human Resouce Management(HRM) と呼び、「人という資源をいかに有効活用するか」という定義になっています。 日本の人事管理の底流に流れる「人を評価し、差をつける」ことと違って、人という資源を最大限活用することが目的となっています。 人事制度を構築する目的は、「人が育ち、働く意欲が湧くしくみを作ること」です。社内の従業員を評価し、給与に差をつけることが目的ではありません。

 

中小企業において社員に競争してもらいたい相手は他社の社員です。競合他社の社員に勝る社員に育たなければ勝てるわけがありません。人事制度を導入するのは、より良い社員に育ち、やる気を引き出し、各人の持っている能力を発揮してもらえるしくみをつくることです。決して社内での上下をつけるのが目的ではないのです。もちろん、評価制度も含んでいますが、給与を決めるだけのために評価を行なうのではありません。評価は「社員育成の見返り」なのです。

 

ほとんどの中小企業では特に他社より優れた特徴を持っているわけではありません。同じような設備や店を持ち、同じような人材が集まって事業を行っています。ではそのような企業はすべて同じような発展しかしないのかというと、そうではありません。ある企業は発展し、ある企業は衰退、倒産しています。その差はどこにあるのでしょうか? 私はこれを「優れた人材のいる企業」か「優れた人材のいない企業」かの差だと考えています。人を育てることを大切にしている企業では、社員の多くが優秀でやる気があり、同じような経営環境のなかでも企業の差が出るのだと思います。この、社員を育てかつやる気を出してもらえることが、真の「人事制度の目的」です。

 

 

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